サンドポイント写真集
サンドポイント情報集
旅行記ほか
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この街、アイダホ州サンドポイントを初めて訪ねたのがもはや30年前のこと。それから幾年も経過したとはいえある種猛烈な時代の流れから取り残されたかのようなあいも変わらぬ佇まいで私を迎えてくれる街。それは一気に時を巻き戻してくれたかのような感動的ですらある風景でした。人口約7,000人のこの小さな街は大半が二階建て以下、道路は都市部のクルマの流れとは全くことなるゆったりとした往来。残念ながら市内で一番だった繁華街はかつてより活気が薄れている気がしたが、それでもスターバックスができていたり幾分か新鮮さも同時に醸し出していました。そして2006年夏の終わりに再びサンドポイントを訪れましたが、そのダウンタウンはこの町が数万人規模の観光都市に変貌していこうとする気配を感じる確かな変化を感じさせました。
サンドポイントはその名の通りペンドオレイル湖岸では唯一「砂浜」のある場所です。ミシシッピ以西でソルトレイクに続く大きさだけでなく全米屈指のその深さが特徴のペンドオレイル湖の湖岸には殆ど砂浜はありません。唯一の砂浜を持つサンドポイントはやがてその立地関係から鉄道の要所としての位置づけを持つようになります。鉄道王たちがこぞってこの町を通る路線を敷設し、今でも一日十数本の長大貨物列車とアイダホ州内唯一のAmtrakの旅客列車が発着します。AmTrackの駅はシティ・ビーチから北へ数分歩いたあたりの砂州に位置しています。砂はとてもキメが細かく美しい砂浜です。旅客列車はシカゴ行き、そしてシアトル・ポートランド行きの「エンパイア・ビルダー」号。西行きが夜の11:50頃、そして東行きが深夜2時頃といずれも深夜というのがやや残念なのですがいつかこの豪華な大陸横断列車に乗ってシカゴから2泊の鉄道の旅の目的地として訪れてみたいものです。
サンドポイントはバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道、そしてユニオン・パシフィック鉄道所属のスポーケン・インターナショナル鉄道、モンタナ・レール・リンクそしてペンド・オレイル・バレー鉄道が乗り入れる鉄道の要所で、このことから多くの鉄道ファンからの注目を集めています。そしてかつて最大の木造橋として知られたロング・ブリッジは町の象徴の一つです。元々鉱山や製材、そして畜産で栄えたこの町も今では町を囲む大自然の優美さ雄大さを基調としたリゾートが町の産業の中心と変貌しています。町の名所の一つが、Cedar通りのサンド・クリークにかかる橋にあるシーダー・ストリート・ブリッジでした。橋の上全体がショッピングモールになっているのは全米でも類をみないこのショッピングセンターでしたが、店舗を一番街に移し橋上のモールは新たに「シーダー・ストリート・ブリッジ・パブリック・マーケット」として2006年秋にリニューアル・オープンされる予定です。
さて、サンドポイントの中心部はダウンタン地図を御覧頂くとわかる通りCity Beachの西側に碁盤状に何本かの道が交差し、斜めにMain Streetが走るといった形で構成されています。US2号とUS95号がグルりと中心部を囲む形になってそれぞれ一方通行で南から北へは1番街〜シーダー・ストリート経由、北から南へは5番街〜パイン・ストリートを経由していくことになります。なお、US95号線は南下すると約1時間弱でCoeur'd Alene(コーダレーン)へ、北上するとUS2号と路線を共有してアイダホ北端の地であるBonners Ferry(ボナーズ・フェリー)へ向かいます。町の見どころの一つ、City Beachへは、95号からBridge Streetへ右折します。橋を渡るとバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)鉄道のAmtrak・サンドポイント駅へのアプローチ道路があります。このBNSFの高架をくぐるとCity Beachの駐車場がありそこは昔と何ら変わらない、美しく素敵なビーチがあります。
1977年の初めての訪問以来2002年、そして2006年と三度訪れることができました。2006年にはペンドオレイル湖周辺に多くのレイク・ハウスが建設されダウンタウンの再開発も進んできました。コーダレーンのようなリゾート・タウンに生まれ変わろうとしている気配を感じ昔のまま変わらずにいて欲しいという気持ちと、より多くの人がサンドポイントの魅力に気付いているからこその発展だという喜ばしい気持ちと混ざり合った複雑な思いを感じました。また、お世話になったCaribou Creek Guest RanchのO.デービッドさんご夫妻にはお礼の言い様もないほど素敵な経験をご提供頂きました。この場をお借りして感謝したいと思っています。今後2002年の写真集と平行して2006年に撮影したダウンタウンや周辺エリアの様子を順次更新していきたいと思います。
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